個性豊かな武将たちが織り成す戦いの数々がドラマを生み、現代でも人気を博している三国志演義だが、500人を超える登場人物の中で最強を名乗るのにふさわしいのは誰だろうか?
そこで、本記事では真の最強決定戦を開催したいと思う。
といっても、ただ強ければいいというものではない。
勿論、乱世で生き延びるには強さが必要なわけだが、武術の腕前だけで天下を統一することは不可能であり、権謀術数によって戦況を変えていく戦略性や優秀な人材を得られる徳望を持つことが勝利の鍵を握っている。
そのため、武勇は勿論だが、知略やカリスマ性にも目を向けなければならない。
そこで、考えたのが個々の能力別に最強の人物を決めるという方法である。
これならば多くの人物にスポットを当てることができるのだ。
目次
★武力最強 呂布
まずは武力から。
最強と聞いて真っ先に思い浮かぶのが呂布である。
知ってのとおり、個人的武勇において鬼神の如き強さをほこり、武将同士の一騎打ちで敗れたことがないという剛勇無双の猛将だ。
その凄まじい武勇は「人中の呂布・馬中の赤兎」と讃えられており、飛将軍の名にふさわしい強さをほこっている。
「知略に欠け、目先の欲で人を裏切る」という、英雄にあるまじき欠点が霞んで見えるのだ。

★智略最強 諸葛亮
天下の情勢に対し、大局を見極めることは戦略上欠かせないものである。
その能力において最強にふさわしいのは、天才軍師として名高い孔明であろう。
無敵の軍神の鮮やかな采配は他の追随を許さず、敗北を知らない。
また、内政手腕にも優れ、弁舌に長けていたため、最強の智略の持ち主として君臨するに至った。

★人徳最強 劉備
優れた人材を配下にするためには、心が豊かでなければならない。
仁義をもって人に接し、相手の心をつかんで味方にすることは乱世を生き抜くのに不可欠だ。
そのように振る舞うことを人徳といい、これに最も長けているのが劉備である。
助けてもらってばかりというイメージの強い劉備だが、人徳だけで孔明や関羽・張飛といった優れた人材を従えているのは、まさに神業といえよう。
これがなければ真っ先に滅びていたにちがいない。

★忠義最強 関羽
主君に対する忠義も戦乱の世では必要な要素である。
義理を重んじなければ危険人物扱いされて抹殺されてしまうからだ(どこかにこういう奴がいたような気がする。呂布よ、お前のことだ)。
三国志演義における剛勇と忠義を兼ね備えた者といえば関羽であろう。
関羽といえば商売の神として祀られており、信義を重んじた生き様と武神と呼ぶにふさわしい戦闘能力は当時の最強候補の一人として挙げるのに一役買っているといえよう。
関羽は個人的武勇のみならず、軍略にも優れており、一軍の将としての実力も持ち合わせている。
これぞ、文武両道を極めた男であり、その分野でも名を挙げるべき武将であるが、関羽の最も優れた点は義に生きたことである。
劉備の家族を守るために曹操の軍門に下った後、手柄を立てて厚遇された恩を返し、劉備の元に帰ったことは称賛に値する。
まさしく、忠義最強にふさわしい生き様であるといえよう。

★腕力最強 許褚
魏軍最強の猛者・許褚が最強決定の場に現れた。
許褚はあの呂布を相手にひるむことなく渡り合い、五虎将軍の一人・馬超との死闘を演じた。
普段はぼんやりしていて慎み深い性格だが、戦場では虎の如き勇猛をほこるといわれているのは伊達ではない。
このように武勇に優れていることだけでなく、おそるべきはその怪力である。
黄巾賊の残党に岩石を投げつけたり、2頭の牛の尻尾をつかんで引きずるのは尋常ではない。
そればかりか片手で小舟を漕ぎながら盾で曹操を守るという力技までやってのけている。
これらのエピソードから腕力における最強は許褚に決定した。

★指揮官最強 張遼
泣く子も黙るの由来になった武将。
そのように怖れられるのに遜色のない武勇の持ち主で戦術にも長けた知勇兼備の闘将である。
この張遼という男は、丁原の元で呂布の部下だった時から誰に対しても親切で部下に好かれており、穏やかな人柄だが、戦場では鬼神となることで名を知られている。
張遼といえば合肥の戦いで、大軍を率いた孫権に対して、わずか800人で攻撃を仕掛けて大損害を与えたことが思い浮かぶ。
これが泣く子も黙るの由来となった出来事だが、特筆すべきは、逃げ遅れた兵を助けるために、たった一人で敵軍に突撃し、救出するという離れ業をやってのけたことだ。
兵たちはこれに感激し、張遼を慕うようになった。
このことから日頃から人を大切に扱い、いざという時には己の命を顧みずに部下を守るのが指揮官たる者の使命であり、それを成し遂げた張遼が指揮官最強にふさわしい武将である。

★スケール最強 孫策
武将として最も波乱に満ちた生涯を送り、歴史に名を残した男、孫策は全ての登場人物の中で最もスケールが大きい英雄である。
小覇王の呼び名にふさわしい勇名をはせた孫策は「快活な性格で人の話をよく聞いた」ことから部下たちに慕われ、リーダーとして最も大切な資質を備えていた。
そんな孫策も旗揚げ時はわずかな兵力しか所持していなかったものの、強大な軍団を築き上げるのは瞬く間であった。
江東一帯を制圧した際の快進撃を成し遂げたのは軍の統制力は勿論、個の武勇においても抜群だったからである。
自ら先頭に立って突撃し、並み居る敵軍を薙ぎ倒す様は圧巻であり、太史慈との戦いをはじめとする一騎打ちも壮絶を極めている。
これは軽率な行動だが、読者の心を熱くする武将は他にはいない。
スケール最強の武将として名を挙げるのに最もふさわしい男である。

★極悪最強 董卓
乱世を納めるには権力も必要である。
だが、それを我欲のために用いて人々を苦しめる奴は破滅するのみだ。
そういう奴に含まれるとして、非道な行いで天下を震撼させた董卓を極悪最強とする。

★水上戦最強 周瑜
美周郎の知略は呉にとってなくてはならない物である。
大都督として水軍の指揮を執った赤壁の戦いは周瑜の采配による大勝利である。
また、孫策に従って江東の制圧に貢献した実績もすばらしく、周瑜なくして孫家の存在はない、といえるくらいである。
これらの活躍を考えて、水上戦最強の武将として名を挙げることとする。

★総合力最強 曹操
全てにおいて優れた才能を発揮し、乱世の奸雄と評された曹操の名を総合力の最強に挙げない者は皆無だろう。
天才的な戦術を武器に中国の北半分を領有した手腕は神のようである。
曹操は広大な国土の他に圧倒的な軍事力と数多くの勇将及び智将を配下として従えており、有能な人材を己の手足の如く使いこなす能力に長けている。
司馬懿や荀彧をはじめとするブレーンたちはいずれも超絶的な天才ぞろいで許褚、張遼を筆頭とする歴戦の勇将は死をも恐れぬ者ばかりである。
人材に恵まれたことによって、知勇を兼ね備えた強大な力を持つことが決定打となり、最強の座を手にするに至った。

★終わりに
以上で三国志演義最強決定戦を終わることにする。
このブログを読んでいる人はどう思っただろうか?
決定に対する意見、感想、反論等をコメント欄に書いてほしい。
また、「この武将を忘れている」という人物がいたら、それも教えてもらいたい。
おそらく、孫堅、趙雲、徐晃あたりが挙げられると思うが、彼らは強敵を倒していないので、あえてエントリーさせなかった。
また、張飛、馬超、典偉、太史慈といった猛将たちは呂布と被ってしまうだけでなく、武力だけで判断しない、という選考基準を無視することになるため、除外させてもらった。
他にも張角、于吉、左慈、南華老仙を推す人もいる気がするが、妖術使いは反則に近いので、これも除外することにした。
さて、貴殿のお気に入りの人物は選抜されていただろうか?
大いに気になるところである。
この考察はあくまでも個人的主観によるものであるため、絶対に正しい、というわけではない。
その点を誤解しないようにしてほしい。
さて、ここで本記事の執筆の参考資料として用いた書籍の紹介をしたい。
一水社から出版された「真説・三国志 最強は誰だ?」というものである。
これは50人の武将を抜擢し、誰が最強にふさわしいかを徹底的に分析し、人物だけでなく、当時の歴史に関することまで一冊に収められるという、ボリュームたくさんの内容となっている。
価格は楽天市場で235円。
これほどの盛り沢山で、この値段はお得である。
ぜひ、おすすめしたい一冊だ。
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