
封神演義はジャンプの漫画の方は有名だが、原作の完訳は今一つ知られていない(画像は本作の悪役・紂王と妲己である)。
ここでは漫画版は読んだが原作は知らない、という人やこれから本作の世界に触れてみたいと思っている人を対象とした簡単な紹介をしようと思う。
★作品の世界観
原作は中華版ファンタジーといったところで、武術と妖術が炸裂し、秘術のかぎりがぶつかり合う超絶バトルの世界である。
舞台となっているのは周の武王が殷の紂王との戦いを起こした頃で、かの有名な太公望が存在した時代である。
紂王との戦いにファンタジーの要素が加わったのが本作といえば分かりやすいのではないだろうか。
武王対紂王の決戦はこの時代に実在した「牧野の戦い」のことなのだが、これについても別の機会に触れていきたい。
★物語の構成
封神演義の構成は一騎打ちの繰り返しである。
古代中国の戦いでは大群で城壁をよじ登って内部に侵入するという手段を用いるが、本作は武将、または道士が一騎打ちをするシーンのみが描かれている。
おそらく、兵を用いた戦いは省略しただけなのだと思われるが、展開が単調すぎるきらいがある。
これが最後まで続くので、人によっては飽きるかもしれないのが玉に傷だ。

★かませ犬が多い
世界で最もかませ犬が多い創作物は「封神演義」ではないだろうか?
登場した瞬間、死んでゆく者があまりにも多すぎるからだ。
同作は道士や武将を封神するという内容なのだが、ストーリー展開の都合とはいえ、命を軽く扱いすぎである。
ここまでひどいと、かませ犬物語と名乗ってもおかしくないのだ。
★終わりに
あっさりしすぎた説明だったが、こうでもしないとこれから読む人は戸惑うであろう。
それにあまり詳しく話すとネタがばれてしまい、楽しみがなくなってしまうのだ。
原作は読みはじめると止まらないおもしろさなのでぜひ手に取ってほしいと思う。
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