
梁山泊は一騎当千の強者揃いである。
本記事は豪傑たちの中でも最強クラスの強さをほこる五虎大将軍、関勝、林冲、秦明、呼延灼、董平について語ろうと思う。
★大刀の関勝

関羽の子孫という設定で得物は勿論、青龍偃月刀だが、この人物が水滸伝の舞台である宋の時代に存在することにはとある疑問が存在する。
先祖の関羽の一族は蜀が滅びた際に皆殺しにされており、約1000年後に子孫が現れるというのは不自然極まりないからだ。
このような不思議な点はあるものの、外見は関羽にそっくりで、信義を重んじる人柄も先祖に劣らないという武人である。
勿論、武勇と軍の指揮能力にも長けており、最前線で戦える実力者として五虎大将軍の一人に抜擢されている点は最大の長所といえよう。
ただ一つだけ残念なのは個性がないことである。
水滸伝には武松や魯智深といった人間味あふれる個性派豪傑が登場するため、面白味に欠けるというのが致命的欠点だと思う。
★豹子頭 林冲

腕は立つものの、これほど不幸な人はいないだろう。
教頭の地位を追われ、妻にも死なれ、行く先々で不当な扱いを受けるという散々な境遇である。
梁山泊入山後は大活躍し、瓊英に石をぶつけられた時以外は一騎打ちで敗れることがなかったという剛勇はすばらしい。
出番も多く、物語の序盤から終盤にかけて大きな存在感があった人物である。
★霹靂火 秦明

武勇は一流だが、短気なのが欠点である。
そのため、組織のリーダーのタイプではないが、個人的武勇は鬼神の如き凄まじさをほこっている。
仲間になった時のエピソードが悲惨すぎるのだが、持ち前の気性の激しさを考えると、宋江らを殺さなかったのは不思議である。
これは、おそらく殺していたら物語がそこで終わってしまうという制作上の都合であろう。
この秦明も多くの豪傑たち同様、戦闘の時しか出番がなく、勇猛さだけが取り柄というその他大勢扱いである。
★双鞭 呼延灼

鞭の二刀流の使い手だが、水滸伝の世界の鞭は金属製の棒で鉄便と呼ばれる武器である。
そのため、SM嬢が両手に鞭を持っている光景を想像してはならない。
・・・馬鹿な話はこれくらいにしておこう。
呼延灼は敵だった時に最も梁山泊を苦しめたのではないだろうか。
個人的武勇だけでなく、軍の統率能力にも優れており、連環馬による攻撃は強力無比である。
戦闘シーンの時しか出番がない人物の一人だが、その活躍は目を瞠るものがあり、多くの戦死者を出した方臘討伐の際にも最後まで生き残ったのは評価に値するであろうと思う。
★双鎗将 董平

槍の二刀流という一風変わった武術の使い手でその腕前も一流である(戦いにくそうだ)。
董平は学識も豊富で管弦の道にも通じるという風流人の一面も持ち合わせているが、それらの才能を発揮する場面がない。
上官を殺して娘を自分の嫁にするなどという鬼畜な行為は水滸伝ファンの間でよく思われていないようである。
また、梁山泊に入るのが遅い方なので、出番と活躍もそれほど多くはないにもかかわらず、なぜ五虎大将軍に含まれているのかが不思議であるともいわれている。
索超の方がふさわしい気がするのだが、と思える人物だ。
★終わりに
5人ともすばらしい腕前の勇将であるが、強さの順位を決めるなら関勝、秦明、呼延灼、林冲、董平の順に強いと思っている。
勿論、個人的見解である。
これらの超一流の軍人は梁山泊に欠かせない存在であり、呉用の作戦も彼らがいるから高い効果を発揮するのだ。
ロマンあふれる超人的強さをほこる彼らこそが真の英雄豪傑である。
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