
モンスター社員による「逆パワハラ」とは、部下が上司に対して行うハラスメント行為全般をいう。
通常、パワハラは上司から部下に対して行われるものだが、逆パワハラは、部下が上司に対して、業務上の優位性を利用したり、不当な言動で精神的な苦痛を与えたりする行為を指している。
これにより、上司のメンタルヘルスや業務遂行に悪影響を及ぼすおそれがあるのだ。
本記事ではモンスター社員が逆パワハラをする具体例・原因・対処方法について解説している。
職場にいるモンスター社員に困っている人は、ぜひ最後まで読んでほしい。
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★逆パワハラの具体例
逆パワハラを放置すると、会社が安全配慮義務違反として損害賠償責任を問われるケースもある。
また、最近では企業や公的機関でも問題視されるケースが増えているといわれる。
厚生労働省の指針でも、部下による言動が「優越的な関係を背景とした言動」に該当する場合、パワハラと認定されることがある。
以下は実際に報道や裁判例などで取り上げられた逆パワハラの代表的な事例である。
業務命令の拒否や無視
正当な業務指示に対して、反発したり無視したりする。
また、上司の指示を無視したり、業務妨害に走る奴もいる。
暴言・侮辱
上司に対して、侮辱的な言葉を浴びせたり、人格を否定するような発言をする。
面と向かって「使えない上司」「辞めてしまえ」などの暴言を浴びせたり、物を投げつけるなどの暴力行為を行う。
孤立化
上司を仲間外れにしたり、無視したりして、孤立させる。
他の部下と結託して上司を無視したり、嫌がらせをするのも含まれる。
過度な要求
些細なことで、上司に謝罪や賠償を要求する。
会社に不当な要求をしたり、上司に過大な要求を繰り返す。
SNSでの誹謗中傷
ネット上で、上司の悪口を書き込んだり、名誉を傷つけるような行為をする。
特にひどいものになると、ありもしないことを投稿し、社会的に抹殺しようとするというケースもあるのだ。
上司の指示をパワハラだと訴える
正当な指示を、パワハラだと訴え、業務を妨害する。
なかでも、上司が自分をハラスメントしていると虚偽の報告をするという悪質極まりないものもあり、それを鵜吞みにした会社からクビを勧告されるケースもあるのだ。

★逆パワハラが起こる原因
逆パワハラが起こる背景には、職場環境や人間関係の複雑さが絡み合っている。
以下に主な原因を掲載する。
権利意識の高まり
若年層を中心に、権利意識が高まっており、少しでも不当な扱いを受けると、パワハラだと騒いで訴える傾向がある。
ゆとり教育とSNSの影響は大きく、情報化社会を都合よく利用する奴が増えたのが要因といえる。
上司のマネジメント能力不足
上司が、部下の言動を注意・指導する能力及びコミュニケーション能力が不足していると、逆パワハラがエスカレートするおそれがある。
業務の進め方に自信がない場合も、部下に依存してしまうことで立場が逆転し、逆パワハラが発生する原因となるのだ。
職場環境の悪化
職場内のコミュニケーション不足や、上司と部下の関係性が悪化している場合、逆パワハラが起こりやすくなる。
モンスター社員が職場にいると、環境は一気に悪化し、組織全体に深刻な影響を及ぼすのだ。
部下のメンタルヘルス不調
メンタルの不調が原因で「モンスター社員」と見なされるケースは少なくない。
本人の意思や性格だけでなく、精神的な疾患や職場環境のストレスが背景にあることも多く、単純に「困った人」として片付けるのは危険といえる。
うつ病や発達障害など、メンタルヘルス不調が原因で、攻撃的な言動に繋がることがあるのだ。
パワーバランスの崩れ
社内のパワーバランスが崩れることで、モンスター社員が生まれる背景には、組織構造の歪みや管理体制の弱体化が深く関係している。
上司よりも部下の社歴が長い場合や、部下が特定のスキルや知識で上司を上回る場合に逆パワハラが起こりやすいのだ。
ハラスメントに対する認識の欠如
部下がハラスメントの意味を誤解していたり、ハラスメントに対する意識が低い場合、意図せず逆パワハラをしてしまうことがある。
また、部下が業務に関する知識やスキルを持ち、上司が業務を進めるために部下の協力を必要とするケースが生じると組織内で「実質的な権限」が部下にある状態になるため、立場の逆転が生じ、逆パワハラの原因となるのだ。
パワハラへの過剰な配慮
上司が「パワハラと受け取られるのでは」と恐れて、適切な指導ができなくなる。
部下が「注意された=パワハラ」と誤認し、逆に攻撃的になるからだ。
ハラスメントの問題を都合よく利用し、嫌なことは全部パワハラと言い出す奴に利用されるのである。
部下の人格的な問題
自己中心的・反抗的な性格で、上司に対して攻撃的な態度を取る。
集団で上司を孤立させるような行動を取る奴もおり、学生の頃にいじめをしていた馬鹿者が社内で音頭を取るのだ。
組織の風土や人事制度の問題
年功序列が崩れ、若手が上司になるケースが増加していることにより、管理職の権限が弱く、部下の言動を制御できない職場環境である時にも逆パワハラが発生する。
具体的には、ベテランが上司にかみつき、指示に従わないというケースが上記に該当している。

★逆パワハラへの対処法
逆パワハラは、上司の精神的な負担を増やし、職場全体の雰囲気を悪化させる。
企業は、逆パワハラを放置せず、早期に対処することが重要だ。
ハラスメント相談窓口の設置
企業は、ハラスメント相談窓口を設置し、被害を受けた上司が相談しやすい環境を整える必要がある。
実情を把握し、早期対応をすることが解決の糸口となるのだ。
上司への研修
上司が、部下の言動に適切に対応できるよう、マネジメント研修やハラスメント研修を実施する必要がある。
管理職も労働者であるため、会社が守らねばならないのだ。
証拠の収集
逆パワハラを受けた場合、証拠を収集し、客観的な事実を把握することが重要だ。
暴言や無視などの言動を日時・内容とともに記録するメールやチャットの履歴、録音なども保存しておくのが欠かせない。
法的措置
状況によっては、弁護士に相談し、法的措置を検討する必要がある。
逆パワハラが深刻化している場合は、企業法務に強い弁護士に相談するのが有効となる。
第三者の介入により、職場の秩序を回復しやすくなるのだ。
加害者への指導
加害者に対して、厳重注意や懲戒処分など、適切な指導を行う必要がある。
感情的に反応するのではなく、冷静かつ戦略的に対応することが重要だ。
社内全体の意識改革
ハラスメントは、誰にでも起こりうるという意識を、社内で共有し、再発防止に向けた取り組みを継続しよう。
従業員全員を集めた研修を実施するのが得策といえよう。
懲戒処分や配置転換
逆パワハラが認定された場合、懲戒処分や配置転換などの措置を検討する。
法的リスクを避けるため、就業規則に基づいた対応が必要となる。
再発防止策の実施
ハラスメント研修の実施や、就業規則の見直しなど、再発防止策を講じる。
逆パワハラは放置すると職場全体の雰囲気や生産性に悪影響を及ぼす。
まずは冷静に状況を把握し、段階的に対応していくことが大切だ。

★逆パワハラを放置するリスク
逆パワハラを放置すると職場の秩序や企業の信頼性に深刻な影響を及ぼす。
以下に主なリスクを整理した。
職場環境の悪化
上司のモチベーション低下や、他の従業員の不信感に繋がり、職場全体の雰囲気が悪化する。
「部下が上司に従う」という組織の基本原則が揺らぎ、指揮命令系統が機能しなくなる。
チームの連携も取りにくくなり、業務効率が低下するのだ。
生産性の低下
上司が萎縮して業務に集中できなくなり、生産性が低下する。
モンスター社員がいつ暴れだすか分からないため、気になってしまうのだ。
離職者の増加
上司が精神的に追い詰められ、離職してしまう。
会社の戦力がダウンし、経営が成り立たなくなる。
他の社員も次の標的にされるのを恐れ、会社を辞めていくのだ。
企業の信頼失墜
逆パワハラを放置していると、企業の評判が低下し、採用活動にも影響が出る。
現場を目撃した人が言いふらしてしまうからだ。
噂が噂を呼び、尾ひれがついて話が大きくなることを考えると、逆パワハラの放置は企業の存続に関わる重大な問題になりかねない。
上司のメンタルヘルス悪化
精神的ストレスにより、うつ病や適応障害などを発症する。
実際に、逆パワハラを受けた教授が休職し、大学に損害賠償を求めた事例も報道されている。
人材の流出・職場環境の悪化
健全な職場環境が損なわれ、優秀な人材が離職する。
職場の雰囲気が悪化し、モチベーションや生産性が低下してしまうのだ。
企業の法的責任
被害者が企業に対して「安全配慮義務違反」で損害賠償請求を行うことが予測される。
会社が逆パワハラを放置した結果、企業が訴訟リスクを抱えることになる。
逆パワハラのエスカレート
逆パワハラがエスカレートすると、単なる職場のトラブルを超えて、組織全体の崩壊や法的リスクに発展するといわれる。
逆パワハラは「見えにくいハラスメント」だが、放置すれば組織全体に波及する危険性がある。
被害の拡大を防ぐためにも早期発見と適切な対応が不可欠となる。
初期段階で対応しないと、言動が過激化し、暴言・業務妨害・名誉毀損などに発展するのだ。

★何をしても無駄な時の最終手段
モンスター社員に、上記の方法が通用しなかった時や会社が全く対応してくれない時は最終手段の出番となる。
退職するのだ。
社内の人間が誰も助けてくれず、あろうことか笑って見物しているなどという場合、そんな職場には長居する価値がない。
さっさとやめてしまうのが得策である。
モンスターを放置する奴等もモンスターなので、環境を変えるのは必須となるからだ。
もし、辞表を出すのに不安があっても退職代行ならノーリスクで辞められる。
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