
「そろそろ転職したい」「新しい環境に挑戦したい」──そんな前向きな気持ちで退職を考えても、できれば会社とはトラブルなく円満に辞めたい。
ところが、退職には意外と見落としがちなルールやマナーが多く、ちょっとした行き違いが後味の悪い別れにつながってしまうこともある。
円満退職を実現するためには、伝えるタイミング・手続きの流れ・周囲への配慮など、押さえておくべきポイントがいくつも存在する。
これらを理解しておくことで、スムーズに退職できるだけでなく、次のキャリアにも良い影響を与えることができるのだ。
今回は、「会社を円満退職したい時に注意しなければならないポイント」について解説する。
後悔のない退職にするために、ぜひ参考にしてほしい。
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目次
★退職理由の伝え方
退職を決意した時、多くの人が悩むのが「理由の伝え方」。本音をどこまで話すべきか、建前で済ませるべきか迷う場面は少なくない。
ここでは、円満退職につながる退職理由の伝え方を整理する。
前向きな理由を伝える:「キャリアアップ」「新しい挑戦」「スキル習得」など、未来志向の理由に言い換える。
会社や同僚の批判は避ける:「人間関係が悪い」「給与が低い」などは印象を悪くするため、直接的には言わない。
感謝の気持ちを添える:「これまでの経験が自分を成長させてくれた」と伝えることで、円満な印象を残せる。
★退職のタイミング
退職は人生の大きな決断。タイミングを誤ると、会社に迷惑をかけたり、自分が損をしたりするおそれがある。
ここでは、円満退職を実現するためのタイミングの考え方を整理する。
- 法律上は2週間前の申し出で退職可能だが、実務上は 1〜3ヶ月前 が一般的だ。
- プロジェクトの繁忙期や決算期などを避けると、会社への負担が少ない。
- 転職先の入社日との調整も忘れずに行う。
退職は「終わり」ではなく「新しいスタート」である。
計画的なタイミングで、未来につながる円満退職を実現しよう。

★引き継ぎの準備
退職を円満に進めるために最も重要なのが「引き継ぎ」である。
どれだけ理由やタイミングを工夫しても、引き継ぎが不十分だと「迷惑をかけた人」という印象が残ってしまう。
ここでは、引き継ぎをスムーズに進めるための準備ポイントを徹底解説する。
- 業務マニュアルを作成し、後任者がスムーズに業務を進められるようにする。
- 顧客や取引先への挨拶も必須。信頼関係を壊さないように丁寧に対応。
- 引き継ぎ不足は「迷惑をかけた人」として悪い印象を残す原因になる。
引き継ぎは「退職の最後の印象」を決める大事な要素だ。
上記を徹底すれば、会社に迷惑をかけず、円満退職を実現できる。
★上司への伝え方
退職を決意したとき、最初に伝えるべき相手は直属の上司だ。
ここでの伝え方次第で、退職が円満に進むかどうかが大きく左右される。
感情的にならず、誠意を持って伝えることが重要だ。
伝える順番を守る
最初に直属の上司へ
→ 人事や同僚に先に伝えるのはNG。情報が先に広まると上司の立場を悪くする。
上司に伝えた後、会社の規定に従って人事や総務へ正式に報告する。
タイミングの選び方
上司が忙しくない時間を選ぶ(会議前や繁忙期は避ける)。
「少しお時間いただけますか」と事前にアポイントを取ると丁寧。
退職希望日の 1〜3ヶ月前 に伝えるのが理想的。
伝え方の基本
口頭で直接伝えるのがマナー。
メールやチャットだけは避ける。
ネガティブな理由は避け、前向きな理由に言い換える。
感謝の気持ちを必ず添える。

★具体的な伝え方例
退職を伝える場面は緊張する。
ここでは、状況別に使える具体的な伝え方の例文を整理した。
どれも「前向きな理由+感謝の気持ち」を基本にしている。
例文① キャリアアップの場合
「これまでの経験で多くを学ばせていただきました。さらに専門性を高めるため、新しい環境に挑戦したいと考え、退職を希望いたします。」
例文② 家庭の事情の場合
「家庭の事情により働き方を見直す必要があり、退職を決意いたしました。これまでのご指導に心から感謝しております。」
例文③ 健康上の理由の場合
「体調を考慮し、今後の働き方を見直すために退職を希望いたします。ご迷惑をおかけしますが、最後まで責任を持って業務を遂行いたします。」

★良くない伝え方
退職を伝える際に、誠意ある態度や前向きな理由を心がけることが大切だが、逆に「良くない伝え方」をしてしまうと、関係が悪化したり、円満退職が難しくなることがある。
ここでは避けるべき伝え方を整理した。
ネガティブな理由をそのまま伝える
「給料が安いから辞めます」
「人間関係が嫌だから辞めます」
「会社の将来性に不安があります」
→ 本音であっても直接的に伝えると、上司や会社への批判と受け取られ、関係が悪化する。
感情的・攻撃的な伝え方
「もう我慢できないので辞めます」
「この会社では成長できません」
「上司のやり方についていけません」
→ 感情的な表現は「不満の爆発」と受け取られ、円満退職から遠ざかる。
曖昧すぎる伝え方
「ちょっと考えがあって・・・」
「とりあえず辞めようと思います」
「まだ決めてないけど退職するかも」
→ 意思が不明確だと上司も対応に困り、信頼を失う。
不誠実な伝え方
メールやチャットだけで退職を伝える。
同僚や人事に先に話してしまう。
引き継ぎや退職日について何も考えていない。
→ マナー違反と受け取られ、印象が悪くなる。
退職理由を隠しすぎる
「特に理由はありません」
「なんとなく辞めます」
→ 誠意が感じられず、無責任な印象を与える。

★伝えた後の対応
上司に退職の意思を伝えた後は、いよいよ「退職までの準備期間」に入る。
この対応次第で、会社や同僚からの印象が大きく変わり、円満退職につながるかどうかが決まる。
ここでは、退職を伝えた後に取るべき具体的な行動を整理した。
退職日とスケジュールの調整
上司と相談し、退職日を正式に決定する。
就業規則に沿って、退職願・退職届を提出する。
有給休暇の消化計画を立て、引き継ぎと両立できるよう調整しておこう。
引き継ぎの準備
業務内容をリスト化し、マニュアルを作成。
後任者への説明を計画的に行う。
顧客や取引先への挨拶を準備し、信頼関係をスムーズに引き継ぐ。
周囲への伝え方
上司から了承を得た後、同僚やチームメンバーに報告。
「これまでの感謝」と「今後の応援」を伝えることで良好な関係を維持。
ネガティブな理由は避け、前向きな姿勢を示す。
会社への誠意ある対応
最後まで責任感を持って業務を遂行する。
退職日まで「手抜き」や「やる気の欠如」を見せない。
書類や備品の返却を忘れずに行う。
社外への対応
顧客や取引先に退職の挨拶を行う。
後任者を紹介し、安心感を与える。
「これまでのご支援への感謝」を必ず伝える。
引き止めへの対応
上司から引き止められるおそれがある。
「決意は固まっています」と冷静に伝える。
感情的にならず、誠意を持って対応する。

★退職後の準備
退職は「会社を辞める」だけで終わりではない。
退職後には生活やキャリアをスムーズに進めるための準備が必要だ。
ここでは、退職後に必ずやっておきたい手続きや心構えを整理した。
健康保険の切り替え
任意継続被保険者制度:退職後20日以内に申請すれば、最長2年間会社の健康保険を継続可能。
国民健康保険:退職後14日以内に市区町村役場で加入手続きをする必要がある。
家族の扶養に入る:扶養条件を満たせば、家族の健康保険に加入可能。
雇用保険(失業保険)の申請
離職票を受け取り、ハローワークで申請。
自己都合退職の場合は「待機期間7日+給付制限2〜3ヶ月」あり。
離職日の翌日から1年以内に申請しないと受給できない。
年金の切り替え
厚生年金から国民年金へ変更しよう。
市区町村役場で手続きが必要だ。
配偶者が扶養に入る場合は「第3号被保険者」への切り替えも確認。
税金の確認
住民税:退職月によって「一括徴収」か「普通徴収」に分かれる。
所得税:年末調整ができない場合は翌年に確定申告が必要だ。
生活設計とキャリア準備
貯金や生活費の見直しをする。
保険(生命保険・医療保険)の契約内容を確認。
履歴書・職務経歴書を更新し、転職活動を開始。
前職の人脈を大切にし、将来のキャリアにつなげる。

★避けるべきNG行動
退職を円満に進めるためには「やってはいけない行動」を理解しておくことが大切だ。
ここでは、退職時に絶対に避けるべきNG行動を整理した。
突然の退職宣言
「来週で辞めます」といった急な退職は会社に大きな迷惑をかける。
引き継ぎができず、同僚や顧客に負担が集中する。
無断欠勤や音信不通
退職を伝えずに出社しなくなるのは最悪の印象を与える。
社会人としての信用を失い、再就職にも悪影響を及ぼす。
ネガティブな理由をそのまま伝える
「給料が安い」「上司が嫌い」など批判的な理由は関係悪化の原因となる。
本音であっても前向きな理由に言い換えることが必要だ。
引き継ぎを怠る
業務マニュアルを作らず、後任者に丸投げする。
顧客や取引先への挨拶をしない。
「退職日までに終わればいい」と考えるのはNGだ。
社内外での悪口・批判
同僚や顧客に会社の不満を漏らす。
SNSで会社批判を投稿する。
信頼を失い、将来の人脈にも悪影響だ。
曖昧な態度
「辞めるかもしれません」と曖昧に伝える。
上司や人事が対応に困り、余計な混乱を招く。
書類や備品の未返却
社用PCや携帯電話、社員証などを返却しない。
会社に損害を与え、法的トラブルに発展するおそれがある。

★最後まで誠意を持って働く
退職を決めた後も「最後まで誠意を持って働く」ことは、円満退職のために欠かせない。
ここでの姿勢が、会社や同僚からの印象を決定づけ、退職後の人脈やキャリアにも影響するのだ。
以下で、その理由を述べる。
最終日まで責任感を持つ
「もう辞めるから」と手を抜かない。
退職日まで業務をきちんと遂行し、信頼を損なわない。
最後まで誠実に働くことで「安心して任せられる人」という印象を残せる。
引き継ぎを丁寧に行う
業務マニュアルを整備し、後任者が困らないように準備する。
質問に丁寧に答え、理解を深めてもらう。
顧客や取引先への挨拶も忘れずに行う。
周囲への感謝を伝える
上司や同僚に「これまでのご指導・協力に感謝しています」と伝える。
チームメンバーには「今後の活躍を応援しています」と前向きな言葉を残す。
感謝の一言が、退職後も良好な関係を保つ鍵になる。
ネガティブな態度を避ける
不満や批判を口にせず、前向きな姿勢を貫く。
「辞める人」という立場でも、最後まで協力的な態度を示す。
SNSなどで会社批判をしないことも誠意の一部だ。
社外への対応
顧客や取引先に退職の挨拶を行い、後任者を紹介する。
「これまでのご支援への感謝」を必ず伝える。
信頼関係を壊さず、円滑に業務を引き継ぐ。

★退職願・退職届の書き方
退職を円満に進めるためには、口頭で伝えるだけでなく「退職願」や「退職届」を正式に提出する必要がある。
ここでは両者の違いと書き方のポイントを整理した。
- 「退職願」は会社にお願いする書類、「退職届」は退職を決定した意思表示。
- 提出方法は会社の規定に従う。
- 手書きで丁寧に書くのが一般的だが、最近はフォーマットを利用するケースも増えている。
上記を守れば、形式的にも人間関係的にも円満退職につながるのだ。
★退職後の対応
退職は「会社を辞める」だけで終わりではなく、その後の生活やキャリアをスムーズに進めるための対応が必要である。
退職後は社会保険や税金の手続き、失業保険の申請、転職活動の準備など、やるべきことが多い。
ここでは退職後に必要な対応を詳しく整理した。
健康保険の切り替え
- 任意継続被保険者制度
→ 退職後20日以内に申請すれば、最長2年間会社の健康保険を継続可能だ。 - 国民健康保険
→ 退職後14日以内に市区町村役場で加入手続きをする。 - 家族の扶養に入る
→ 条件を満たせば、家族の健康保険に加入可能である。
雇用保険(失業保険)の申請
離職票を受け取り、ハローワークで申請。
自己都合退職の場合は「待機期間7日+給付制限2〜3ヶ月」あり。
離職日の翌日から1年以内に申請しないと受給できない。
年金の切り替え
厚生年金から国民年金へ変更。
市区町村役場で手続きが必要。
配偶者が扶養に入る場合は「第3号被保険者」への切り替えも確認。
税金の確認
住民税
→ 退職月によって「一括徴収」か「普通徴収」に分かれる。
所得税
→ 年末調整ができない場合は翌年に確定申告が必要。
転職活動の準備
履歴書・職務経歴書を最新の内容に更新しておく。
転職エージェントや求人サイトに登録する。
前職で培ったスキルや経験を整理し、面接で伝えられるように準備。
心理的なケア
退職後は環境が大きく変わるため、生活リズムを整える。
「燃え尽き症候群」にならないよう、次の目標を設定する。
前職の人脈を大切にし、将来のキャリアにつなげる。
生活設計
貯金や生活費の見直し。
保険(生命保険・医療保険)の契約内容を確認。
家族への説明や協力体制を整える。

★終わりに
会社を円満に退職するためには、退職理由の伝え方・タイミング・引き継ぎ・上司への報告・退職願や退職届の提出・退職後の準備といった一連の流れを誠意を持って進めることが大切である。
退職は「会社を辞める」という終わりではなく、新しいキャリアや人生のスタートだ。
最後まで責任感を持って働き、周囲への感謝を忘れずに行動すれば、会社に迷惑をかけず、良好な人間関係を保ったまま次のステージへ進むことができる。
円満退職は、未来の自分にとっても大きな財産になる。
誠意ある対応を心がけ、退職を「新しい挑戦への第一歩」として前向きに捉えよう。
幸い、今の世には退職代行というものがあり、これに頼れば嫌な職場とも一瞬でおさらばできる。
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