
夜勤がある職場で働くという選択は、一般的な日勤とは大きく異なる働き方である。
深夜帯に働くことで得られるメリットもあれば、生活リズムの乱れや健康面への影響など、注意すべき点も多い。
夜勤は「稼げる」「自由な時間が増える」といった魅力がある一方で、「体力的にきつい」「生活が不規則になる」といったデメリットも存在するため、正しく理解したうえで選択することが重要だ。
本記事では、夜勤がある会社で働く際の特徴、メリット、デメリットをわかりやすく解説する。
夜勤の働き方が自分に合っているのかを判断する材料として、ぜひ参考にしてほしい。
★夜勤とは?
夜勤とは、一般的な昼間の勤務時間ではなく、夕方から翌朝にかけて働く勤務形態のことをいう。
医療・介護、製造業、物流、警備、ITインフラなど、社会を24時間支える業界では欠かせない働き方である。
夜勤は「生活リズムが昼夜逆転する」「少人数で業務をこなす」など、昼勤とは大きく異なる特徴をもっているのだ。
★夜勤の特徴
夜勤の特徴は「昼夜逆転の生活リズム」「高収入につながる深夜手当」「少人数体制による責任感」「静かな環境で集中できる」などが挙げられる。
勤務時間帯
夜勤の勤務時間には法律上明確な長さの定めは存在しないが、労働基準法では22時から翌5時までを深夜労働と規定しており、この時間帯に従事する場合には25%以上の割増賃金を支払う必要がある。
夜勤の具体的な勤務時間は職場のシフトによって決まり、二交代制では16時から翌9時までのように1回の勤務が長時間となることが多く、三交代制では22時から7時までなど深夜帯のみを担当する比較的短い勤務が一般的だ。
また、医療現場などでは準夜勤や深夜勤といった独自の区分が用いられる。
勤務時間が長くなる夜勤であっても休憩の付与は義務であり、8時間を超える勤務には60分以上、6〜8時間の勤務には45分以上の休憩を与えなければならない。
ただし、宿直のように待機が中心で実際の労働がほとんどない勤務については、許可を受けている場合に限り例外的な扱いとなる。
深夜割増賃金
深夜割増賃金とは、労働基準法により定められた深夜労働に対して支払われる割増賃金である。
深夜労働とは、22時から翌5時までの時間帯に従事する労働を指し、この時間帯に働いた場合、通常の賃金に25%以上の割増率を加算して支払うことが義務付けられている。
深夜割増は時間帯によって発生するため、勤務が22時以前から始まっていても、22時以降の労働時間のみが深夜労働として扱われる。
また、深夜労働が時間外労働や休日労働と重なる場合には、それぞれの割増率が加算され、より高い割増賃金が適用される。
なお、管理監督者であっても深夜労働を行った場合には深夜割増賃金の支払い対象となる。
業種の多様性
夜勤のある業種は多岐にわたっており、社会機能を維持するために昼夜を問わず稼働する分野が多数存在している。
代表的なものとして、医療・介護分野では患者や利用者の生命・生活を支えるために24時間体制が不可欠であり、看護師、介護職、救急医療スタッフなどが該当する。
物流・運輸業では、荷物の仕分けや輸送を夜間に行うことで翌日の配送に備える必要があり、トラックドライバーや倉庫作業員が夜勤を行う。
また、製造業においては生産ラインを止めずに稼働させるため、交代制による夜勤が一般的である。
さらに、警察、消防、インフラ管理、電力・通信などの公共サービスも、社会の安全と安定を維持するために24時間体制を採用。
近年では、IT業界やコールセンター、宿泊・観光業などでも夜間対応が求められる場面が増えており、夜勤の必要性は多様な業種に広がった。
夜勤は特定の職種に限られたものではなく、社会全体の機能を支えるために多様な業種で不可欠な勤務形態となっている。
勤務形態の種類
夜勤の勤務形態には多様な種類が存在し、業務内容や職場の稼働時間に応じて構成されている。
最も一般的なものとして 二交代制 があり、日勤と夜勤の二つの勤務帯を交互に担当する方式である。
夜勤は夕方から翌朝までの長時間勤務となることが多く、医療・介護・製造業などで広く採用されている。
次に 三交代制 があり、日勤・準夜勤・深夜勤の三つの勤務帯を分けて担当する方式である。
深夜帯のみを担当する勤務が明確に区分されるため、一回の勤務時間が比較的短く、24時間稼働が必要な医療機関や工場で多く用いられる。
また、シフト制夜勤 は、曜日や時間帯ごとに細かく勤務時間を設定する方式であり、コンビニエンスストア、宿泊業、警備業などで一般的だ。
夜間の特定時間帯のみ勤務する「固定夜勤」や、日勤と夜勤を組み合わせる「変則シフト」も存在する。
さらに、夜間の待機が中心となる宿直や当直といった勤務形態もあり、緊急対応が必要な場合にのみ業務を行う点が特徴である。
これらは教育機関、福祉施設、公共機関などで採用されることが多い。
少人数体制・静かな環境
夜勤は、日勤と比較して配置される人員が少なくなる傾向があり、少人数体制で業務を行うことが特徴である。
よって、一人ひとりが担当する業務範囲が広がり、自主的な判断や臨機応変な対応が求められる場合が多い。
また、夜間は利用者や来訪者が少なく、業務量が落ち着く時間帯が生じやすいため、全体として静かな環境で勤務することが多い。
ただし、医療・介護・警備などの分野では、静かな環境でありながらも緊急対応が発生するおそれがあるため、常に状況を把握しながら業務にあたる必要が生じる。
このように、少人数体制と静かな環境は夜勤特有の勤務条件であり、業務の進め方や働き手の役割に影響を与える要素となるのだ。
生活リズムの変化
昼夜逆転の生活になるため、労働者の生活リズムに大きな変化をもたらす。
夜間に働き、日中に睡眠を取る生活が中心となるため、体内時計が乱れやすく、睡眠の質や量に影響が生じることが多い。
また、家族や友人との生活時間帯がずれることで、社会的な活動や家庭生活との調整が必要となる点も特徴である。
さらに、食事の時間が不規則になりやすく、夜間の食事や仮眠の取り方が健康管理に大きく関わる。
生活リズムの変化は、夜勤特有の負担であり、適切な休息や生活習慣の工夫が求められる要素だ。
昼夜逆転の生活リズムになる
人間の体内時計は本来、昼間に活動し夜間に休むように調整されているため、このリズムの逆転は睡眠の質や体調に影響を及ぼしやすい。
また、家族や友人など周囲の生活時間帯とずれが生じることで、社会的な活動や家庭生活との調整が必要となる。
さらに、食事や休息のタイミングも不規則になりやすく、健康管理に対する意識が重要だ。
少人数での勤務が多い
配置される人員が少なくなる傾向があり、少人数で勤務することが一般的である。
夜間は利用者や来訪者が減少し、業務量が相対的に落ち着く時間帯が生じるため、必要最低限の人員で運営される体制が採られることが多い。
その一方で、少人数体制では一人ひとりの担当範囲が広がり、状況判断や緊急時の対応を自ら行う場面が増えるという特徴がある。
また、夜間は管理者やサポート要員が不在の場合も多く、独立して業務を遂行する能力が求められる。
少人数での勤務は夜勤特有の勤務環境であり、業務の進め方や責任の持ち方に影響を与える要素となっている。
昼間よりも業務量が少ない場合がある
夜勤は、昼間と比較して利用者や来訪者が減少する業種が多く、業務量が相対的に少なくなる。
特に、接客業や事務系業務では夜間の活動が限定されるため、日中のような頻繁な対応や処理業務が発生しにくい。
一方で、業務量が少ない時間帯があるとはいえ、緊急対応や突発的な業務が発生する可能性は常に存在し、状況に応じた判断力が求められる。
また、業務量が少ない時間帯を活用して、記録作業や翌日の準備などを行う職場も多い。
夜勤は昼間よりも業務量が少ない場合があるものの、必要な業務を確実に遂行するための注意深さと柔軟な対応が求められる勤務形態である。

★夜勤のメリット
夜勤には、昼間の勤務とは異なる特性があり、その中には働く側にとって利点となる要素も存在する。
勤務時間帯の違いによって得られる経済的・環境的なメリットは多くの職場で共通しており、夜勤を選択する理由の一つとなっている。
以下に、夜勤勤務における主なメリットを示す。
深夜手当で高収入
夜勤手当や深夜割増賃金が支給されるため、昼勤よりも収入が増える傾向にある。
労働基準法により午後10時〜午前5時の勤務には25%以上の割増賃金が義務付けられている。
そのため、同じ労働時間でも昼勤より収入が高くなる。
昼間の自由な時間を確保できる
夜間に勤務するため、日中の時間を自由に使えるという利点がある。
昼間にまとまった時間を確保できることで、役所の手続きや通院、買い物など、通常の勤務時間帯では行いにくい用事を無理なくこなすことが可能となる。
また、趣味や学習、家族との時間など、個人の生活スタイルに合わせた時間の使い方がしやすく、自己管理次第で生活の幅を広げられる点も特徴である。
昼間の自由な時間を確保できることは、夜勤勤務の大きなメリットの一つだ。
通勤ラッシュを避けられる
夜間勤務は朝夕の満員電車を回避できるため、通勤ストレスが少なく快適だ。
満員電車や渋滞の影響を受けにくく、移動時のストレスが軽減される点は夜勤特有のメリットである。
また、混雑を避けて移動できることで、通勤時間が短縮される場合もあり、身体的・精神的負担の軽減につながる。
人間関係のストレスが少ない
夜勤は少人数体制で業務を行うことが多く、余計な人間関係の煩わしさが減少する。
また、夜間は来訪者や利用者も少ない場合が多く、対外的な対応が減ることで精神的負担が軽くなる。
さらに、落ち着いた環境で業務に集中しやすく、周囲の状況に左右されにくい働き方が可能である。
上司や管理者の目が届きにくい時間帯でもあり、自主的に働ける環境が整いやすい。
人間関係に疲れやすい人にとっては大きなメリットである。
静かな環境で集中できる
夜間は電話や来客がほぼなく、業務に集中しやすい環境が整っているため、職場全体が落ち着いた雰囲気になることが多い。
静かな環境で業務に集中しやすいという利点により、周囲の動きや雑音が少ないことで、記録作業や点検業務など、丁寧さや集中力を要する作業に取り組みやすくなる。
また、突発的な対応が少ない時間帯には、自分のペースで業務を進められる。
周囲の雑音や割り込みが少ないため、細かい作業や一人で進める業務にうってつけだ。
副業やスキルアップに挑戦しやすい
昼間にまとまった時間を確保しやすいため、副業やスキルアップに取り組みやすいという利点を持っている。
日中に開講される講座や資格取得のためのスクールに通いやすく、学習時間を計画的に確保できる点が特徴である。
また、昼間の空き時間を活用して副業に取り組むことで、収入源を増やしたり、将来のキャリアにつながる経験を積んだりすることも可能だ。
夜勤特有の時間的余裕は、自己成長やキャリア形成に向けた活動を進めやすい環境なのだ。
一人作業が多く気が楽
夜間は業務量が少ない場合が多く、落ち着いて作業できる。
夜勤はチームより個人作業が中心になることが多く、気楽に働けると感じる人もいる。
一人で業務を任されることが多いため、自主性や判断力が鍛えられることにより、キャリア形成にもプラスになる。

★夜勤のデメリット
夜勤のデメリットは「生活リズムの乱れ」「健康リスク」「社会生活とのズレ」「精神的負担」などが大きく、長期的に続けると心身に影響を及ぼすおそれがある。
以下で、どんな危険が潜んでいるかについて解説する。
生活リズムの乱れ
夜勤は昼夜逆転の生活を強いられるため、体内時計が乱れやすくなる。
人間の体内時計は本来、昼間に活動し夜間に休息を取るように調整されているため、夜間に働き日中に眠る生活は生理的負担が大きい。
また、食事の時間が不規則になりやすく、消化器系への負担が増える点も問題となる。
睡眠の質が低下し、十分な休養が取れないことで慢性的な疲労感を抱える人も多い。
不規則な生活は集中力や判断力の低下につながり、仕事のパフォーマンスにも影響する。
健康リスクの増加
長期的な夜勤は生活習慣病(高血圧・糖尿病・心疾患)や肥満のリスクを高めることが研究で指摘されている。
夜間勤務は免疫力を低下させ、風邪や感染症にかかりやすくなる傾向がある。
消化器系への負担も大きく、胃痛や胃炎などを訴える人も少なくない。
社会生活とのズレ
家族や友人と生活時間が合わず、交流が減ることで孤立感を抱きやすくなる。
子育て世代では、家族との時間が取りづらく、育児や家事の負担が増すケースもある。
休日も生活リズムが合わないため、イベントや旅行の計画が難しくなる。
精神的な負担
夜勤明けは強い疲労感があり、気分の落ち込みや「やる気が出ない」といった精神的ストレスにつながりやすい。
孤独感を感じやすく、メンタルヘルスに影響を及ぼすおそれがある。
睡眠不足が続くことで、うつ症状や不安障害のリスクが高まる。
緊急時の対応負担
夜間は人員が少ないため、突発的なトラブルや緊急事態に一人で対応しなければならない。
管理者やサポート要員が不在である場合も多く、外部との連携が取りづらい時間帯であることから、判断や行動を自ら担う場面が増え、精神的な負担が大きくなる。
医療や介護の現場では、夜勤中に急変が起こることもあり、精神的な緊張感が常に伴うのだ。
長期的な影響
長期間夜勤を続けることで、寿命や健康寿命に影響を与えるリスクがあるとする研究もある。
年齢を重ねるにつれて夜勤の負担は増し、体力的に続けるのが難しくなる人も多い。
さらに、家族や友人との生活時間帯のずれが続くことで、社会的なつながりが希薄になり、孤立感を抱きやすくなるという問題もあるのだ。

★夜勤を快適に乗り切る工夫
夜勤は生活リズムの変化や少人数体制など、独自の負担が伴う勤務形態である。
しかし、働き方や生活習慣を工夫することで、心身への負担を軽減し、より快適に夜勤を続けることが可能となる。
以下に、夜勤を無理なく乗り切るための具体的な工夫を示す。
睡眠環境を整える
夜勤では日中に睡眠を取る必要があるため、質の高い休息を確保するための睡眠環境づくりが重要だ。
日中は光や生活音が多く、自然な睡眠を妨げる要因が多いため、遮光カーテンやアイマスクを活用して部屋を暗く保つ工夫が求められる。
また、耳栓やホワイトノイズなどを利用して外部の音声を完全遮断することで、より深い睡眠を得やすくなる。
さらに、寝具の快適さや室温の調整も睡眠の質に大きく影響するため、自分に合った環境を整えることが大切である。
食事と水分補給
生活リズムが不規則になりやすいため、適切な食事と水分補給を意識することが重要である。
夜間は消化機能が低下しやすく、重い食事を摂ると胃腸に負担がかかるため、消化の良い食べ物を選ぶことが望ましい。
また、勤務中は気づかないうちに水分不足に陥ることがあるため、こまめな水分補給が必要となる。
さらに、栄養バランスを意識した食事を心がけることで、疲労の蓄積を防ぎ、体調管理に役立つ。
光と体内時計の調整
昼夜の活動サイクルが通常とは逆転するため、光を上手に利用して体内時計を調整することが重要だ。
日中に眠る前は、強い光を避けることで体を休息モードへ切り替えやすくなる。
帰宅時にはサングラスを使用するなどして光の刺激を抑える工夫が効果的である。
また、起床後や夜勤前には適度に明るい光を浴びることで、覚醒を促し、勤務中の集中力を高めやすくなるのだ。
軽い運動とリフレッシュ
軽い運動やリフレッシュを取り入れることで心身の負担を軽減できる。
長時間同じ姿勢で過ごすことが多いため、ストレッチや短時間のウォーキングなど、無理のない運動を行うことで血行が促進され、疲労感の軽減につながる。
また、休憩時間に深呼吸や軽い体操を取り入れることで気分転換ができ、集中力の維持にも役立つ。
さらに、夜勤明けには軽い運動を行うことで体をリセットし、睡眠の質を高める効果も期待できる。
メンタルケア
生活リズムの乱れや緊張感のある業務が続くことで、精神的な負担が蓄積しやすい。
そのため、意識的にメンタルケアを行うことが重要である。
勤務の合間に深呼吸や軽いストレッチを取り入れることで気持ちを落ち着かせやすくなり、ストレスの軽減につながる。
また、勤務外では趣味やリラックスできる時間を確保し、心の切り替えを行うことが効果的だ。
さらに、悩みや不安を抱え込まず、同僚や家族と適度にコミュニケーションを取ることで精神的な安定を保ちやすくなる。

★終わりに
夜勤がある働き方には、日勤とは異なる特徴が多く存在する。
高収入を得やすい、日中の時間を自由に使えるといったメリットがある一方で、生活リズムの乱れや健康面への負担など、注意すべき点も少なくない。
夜勤が自分に合うかどうかは、体質や生活スタイル、将来のキャリアプランによって大きく変わるため、メリットとデメリットを正しく理解したうえで判断することが重要だ。
夜勤という働き方は決して特別なものではなく、多くの業界で必要とされている働き方である。
自分の価値観や生活リズムに合っていれば、大きなメリットを享受できる。
本記事が、夜勤のある職場で働くことを検討する際の判断材料となり、自分にとって最適な働き方を見つける一助となれば幸いだ。
もちろん、夜勤がつらいなら辞めることも視野に入れるのは決して悪いことではない。
幸い、今の世には退職代行というものがあり、これに頼れば嫌な職場とも一瞬でおさらばできる。
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