竹細工の籠や笊は汎用性が高く、様々な場所で用いられている。
比較的安い価格で販売され、造形美にも優れたことから多くの人々に人気である。
日本の竹細工は縄文時代の遺跡から竹の道具が出土するほど長い歴史を持っており、平安時代には茶人に愛され、茶杓や茶筅などの茶席に欠かせない道具となった。
さらに、道具としてだけでなく、花器や仏具などに使われた竹細工の中には、その技巧の美しさから美術品として注目される物も現れた。
その後、江戸時代になると大分県の別府や岡山県の勝山など、日本でも各地で竹細工が作られるようになり、そのほとんどは暮らしの道具だったが、中には大名の居城の窓枠や細かい彫刻を施した花入れなどにも使われ、シンプルな中にある自然美で人の目を楽しませた物もあった。
もちろん、現代でもインテリアやプレゼントとして親しまれている。
本記事は、竹細工の特徴・種類に関して述べたものである。
興味がある人は、ぜひ最後まで読んでほしい。
目次
★竹細工とは?
竹細工とは、竹を横にひいたり、何本かに縦に割ったり、さらに細かく削ってひご(籤)としたもので、組んだり編んだりした竹製品のことをいう。
日本は良質の竹の産地に恵まれているため、原始のころから柔軟にして堅牢(けんろう)、かつ優雅な竹製品が、いろいろな生活用具として、あるいは武器、農具、漁具として発展してきた。
17世紀には、籠(かご)編、籠結、笊(ざる)編とよばれる竹細工の専門職人(竹細工師)が生まれた。
★竹細工の特徴
竹はアジア諸地域に豊富に産し、その材質は強く弾力に富み、また耐久力にも優れている。
そのため古くから建築用材や日常の生活用具に用いられ、ことに中国、日本では各種の技法を発達させ、竹細工によって作られる品々も多彩である。
★竹細工の編み方
編み方の基本は三つ目と四つ目で、通常用いられている編み方だけでも、笊編、網代(あじろ)編、六つ目、石畳、麻の葉、縄編、蜘蛛(くも)巣、松葉、青海、鉄線、氷裂編、束編、千条編、編絣(かすり)など数十種類のものが挙げられる。
なお、竹には、割れる・折れるという素材自身の宿命的な性質があるので、編組みの材料は、職人が自らよい竹を吟味して、切出しで薄く長く剥いでつくっていく。
竹細工の工具には、竹をひく弦掛け鋸と、割るための竹割り鉈・小刀、削る切出し小刀・竹削り台、穴をあける鼠歯錐・四つ目錐・三つ目錐などがある。
★竹細工はどのように使われているか?
竹細工は昔から日本各地で米や野菜を入れるかご、物を収納する箱などに使われてきた。
別府では江戸時代、温泉で病気を治療する湯治客が宿で自炊する時に使うざる、入浴時に小物を入れるかごなどが売られるようになり、地場産業として定着した。
その後、飾り物などの芸術品も作られるようになった。
★竹細工には何種類の竹が使われているか?
日本では、別府竹細工に使用されるマダケを含め、約626種類、そして世界には1250種類もの竹があるとされている。
★竹細工で有名な県は?
大分県はこの真竹の生産量が日本一。
この豊富な竹材を使った竹工芸品の歴史的は古く、室町時代に行商用の籠を作って売り出したのが始まりといわれている。
現在でも竹工芸品は大分のお土産品として人気である。
また大分は竹工芸の技術者の育成も盛んなことで有名だ。
★竹細工の良さは?
竹細工は日本だけでなく、アジアをはじめとする温暖な地域で多く作られている。
この地域が竹の生育に適しているからだ。
竹は生育が早く、加工もしやすい。
手軽に手に入り、しなやかで通気性や抗菌性などの機能性に長ける竹は、日々の暮らしの中で使われる道具を創る素材としてぴったりだったのだ。
★竹細工に使われる竹の種類は?
日本の竹の9割は、マダケ(6割)、モウソウチク(2割)、ハチク(1割)の3大竹から構成されている。
竹細工の主要な材料はマダケだが、モウソウチク、クロチク、トラフチクなどを使用する事もある。
★終わりに
どうだっただろうか?
竹細工についての理解が深まっただろうか?
ちなみに竹で作った物には↓こちらのような物もあるので、ぜひ参考にしてほしい。