
「この会社、なぜ潰れないのだろう?」と感じたことはないだろうか。
利益を生み出せず、借金や補助金で延命している企業は、経済学的にゾンビ企業と呼ばれる。
日本ではバブル崩壊後に銀行が不良債権処理を先送りしたことで大量に発生し、近年は低金利政策や補助金制度によってさらに温存されていると言われている。
ゾンビ企業は単なる経営不振企業ではなく、市場の新陳代謝を阻害し、働く人のキャリアを停滞させる存在である。
本記事ではその特徴、危険性、退職を検討すべき理由を徹底的に解説し、キャリアを守るための出口戦略まで提示する。
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目次
★ゾンビ企業の特徴
ゾンビ企業にはいくつかの共通点がある。
財務面では慢性的なキャッシュフロー赤字が続き、借り換えや返済猶予交渉が経営の中心となる。
事業計画も補助金頼みで、不採算案件を撤退できず惰性で続けるのが典型的だ。
組織面では意思決定が延命策ばかりで改革は先送りされ、改善提案よりも迎合が評価される文化が根付いている。
優秀な人材は流出し、常に欠員補充に追われ、学習や研修は形骸化。
日常業務でも無料対応や過剰サービスが常態化し、KPIは毎月書き換えられ、忙しいのに成果が出ないという悪循環が続く。
★なぜゾンビ企業と呼ばれるのか?
ゾンビ企業と呼ばれる理由は、経営がすでに「死んでいる」のに、金融機関や政府の支援によって「生き延びている」ように見えるからだ。
つまり、本来なら倒産して市場から退出すべき企業が、外部の延命措置で存続しているため「ゾンビ」に例えられているのだ。
名前の由来
「ゾンビ」という言葉は、もともと西アフリカやカリブ海のヴードゥー教において、死者が蘇った存在を指す。
経営が破綻しているにもかかわらず、銀行や政府の支援で存続している企業を、この「死んでいるのに歩き回る存在」になぞらえてゾンビ企業と呼ぶようになった。
経済学的な定義
国際決済銀行(BIS)は「採算が取れていないが、破産や撤退をせず市場に残り続ける企業」と定義している。
判別基準としては、利払いを営業利益で賄えない状態(インタレスト・カバレッジ・レシオが1未満) が続いていることなどが挙げられる。
日本で広まった背景
「ゾンビ企業」という言葉は、日本のバブル崩壊後の「失われた10年」に、海外の経済学者やメディアが使い始めた。
当時、日本の銀行は不良債権を抱えており、処理を急ぐと自らが破綻する恐れがあったため、再建の見込みがない企業に追加融資(追い貸し)を行い延命させた。
これがゾンビ企業の大量発生につながったのだ。
現代における事例
2008年のリーマンショック後や、2020年以降のコロナ禍でも、政府支援や補助金によって延命される企業が増え、「ゾンビ企業」という呼称が再び注目された。
帝国データバンクの調査では、2021年度時点で日本国内のゾンビ企業は約18.8万社、全体の約12.9%に達していると報告されている。

★働く人にとっての危険性
ゾンビ企業で働くことは、個人にとって大きなリスクを伴う。
市場価値の低い業務ばかりでスキルが磨かれず、責任は現場社員に押し付けられ、昇給や賞与は停滞してしまう。
心理的安全性は失われ、意見を言えば「空気を乱す」とされ、挑戦意欲は削がれていく。
さらに延命のために労務や取引のグレー運用が増えていき、コンプライアンス違反に巻き込まれる危険もある。
これは単なる職場の問題にとどまらず、経済全体にも悪影響を及ぼす。
退出すべき企業が残り続けることで市場の新陳代謝が阻害され、生産性は低下し、金融機関の健全性も損なわれていくのだ。
★退職を検討すべき理由
退職を検討すべき理由は、ゾンビ企業に留まることでキャリアの停滞・市場価値の低下・報酬の伸び悩み・倫理的リスクに直面し、将来の選択肢を狭めてしまうからだ。
改善の見込みがない場合は、早めに環境を変えることが合理的な判断になる。
退職を検討すべき理由は以下のとおりだ。
キャリアの停滞と市場価値の低下
ゾンビ企業では利益を生み出す業務よりも「延命のための作業」が中心になりがちだ。
その結果、市場で評価されるスキル(データ活用・交渉力・新規事業経験など)が磨かれず、転職市場で不利になる。
長く在籍すると「停滞したキャリア」と見られるリスクが高まる。
報酬・昇進の停滞
会社の業績が伸びず、将来への投資も行われないため、従業員への還元が後回しにされ続ける。
結果として、どれだけ努力して成果を出しても、給与が上がらない、昇進のチャンスが巡ってこないといった状況が常態化する。
働く側のモチベーションは大きく低下し、「頑張っても報われない」という無力感が蓄積していく。
また、昇給や昇進が停滞している職場では、評価制度が形骸化していることも多く、上司の好みや社内の力関係が優先されるなど、公平性が失われがちだ。
さらに、報酬が伸びない環境に長くいると、転職市場での価値が上がらず、キャリアの選択肢が狭まってしまうリスクもある。
倒産リスクと生活不安
会社の経営が常に不安定な状態にあると、従業員は「明日どうなるかわからない」という不安を抱えながら働くことになる。
資金繰りの悪化、給与遅延、賞与カット、突然のリストラなど、生活に直結するリスクが常に背後にあるため、精神的な負担は大きい。
さらに、倒産が現実味を帯びてくると、従業員はキャリアの中断や収入の途絶といった重大な影響を受けるリスクがある。
会社が傾いているほど、転職活動に使える時間や心の余裕も奪われやすく、気付いた時には「選べる選択肢」が大幅に減っていることも珍しくない。
また、倒産直前の企業では、退職金が支払われない、未払い賃金が発生するなど、法的トラブルに巻き込まれるリスクも高まる。
倫理的・コンプライアンスリスク
経営が苦しい企業ほど、法令遵守よりも目先の利益や延命を優先しがちで、結果としてグレーゾーンや明確な違反行為が放置されることがある。
たとえば、労働基準法違反、虚偽報告、不正会計、顧客への不誠実な対応など、倫理的に問題のある行為が「仕方ない」「どこでもやっている」と正当化されやすい。
従業員自身のキャリアにも悪影響を及ぼす。
違法行為に加担させられたり、不正を見て見ぬふりすることが常態化すると、自分の価値観や職業倫理が揺らぎ、将来の転職活動でも不利になる。
また、会社が法的トラブルを起こした場合、従業員が事情聴取や責任追及の対象になることもあり、精神的な負担は計り知れない。
心理的安全性の欠如
従業員が「意見を言うと否定される」「ミスをすると人格まで攻撃される」「相談したら不利益を受けるかもしれない」と感じてしまう環境では、誰も本音を言えず、改善のための声も上がらない。
改善提案や挑戦が「余計なこと」とされ、意見を言うと「空気を乱す」と扱われる文化が根付くと、組織は停滞し、問題が放置され続ける悪循環に陥る。
上記のような心理的安全性が低い職場では、上司や経営層の機嫌が最優先になり、合理的な判断よりも「空気を読むこと」が求められるのだ。
意見を述べる人は「生意気な奴が余計なことを言う」と扱われ、沈黙や従順さだけが評価されるようになる。
こうした環境に長くいると、従業員は自信を失い、挑戦する意欲も奪われ、心身の不調につながることも少なくない。
挑戦意欲が削がれ、燃え尽き症候群に陥る危険があるのだ。

★見極めと出口戦略
退職を決断する前に、まず会社を見極めよう。
月次決算が社員に共有されているか、不採算事業を切り捨てているか、反対意見を歓迎する文化があるか。これらが欠けているならゾンビ化の危険性は高い。
退職を決めたら、延命業務でも数値で成果を切り出し、職務経歴書に活かせる形にしよう。
短期集中で「データ活用」「交渉力」「プロセス改善」といったスキルを補強し、伸びる業界や職種の要件を確認して転職準備を進めることが重要である。
退職交渉は感情論ではなく事実ベースで行い、引き継ぎ計画を提示して対立を避けるのが賢明だ。
★実際の事例(イメージ)
地方の製造業では補助金頼みで新規投資はゼロ、若手が流出し残るのは高齢社員ばかり。
IT下請け企業では親会社からの案件依存が続き、利益率が低く改善提案は却下される。
サービス業では値上げできず過剰サービスで疲弊し、顧客満足度も低下するなど、ゾンビ化の兆候は業種を問わず見られる。
★終わりに
ゾンビ企業に長く留まることは、キャリアを停滞させ、リスクを増大させる。
退職は「逃げ」ではなく「選択」である。
時間と努力は延命のためではなく、成長のために投資すべき資産だ。
冷静に見極め、改善の糸口がないなら、立つべき場所を選び直す勇気を持とう。
それこそが未来を切り拓く最初の一歩なのだ。
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